特になんて事はないのです。
可愛いミニカーなのです。
割り込みなんかしょっちゅうデス。
自由が丘辺りでは買い物客が平然と前を横切ります。
僕の前をわざわざ好んで・・・。
小さなお子さんには必ず振り返られます。
指をこちらに向けながら無邪気に笑っています。
一度、散歩中の犬に二度見されたこともあるのです。
そんな平和なミニカー。
ついこの間、人通りの多い狭い道で、前を走る赤い高級セダンが、
道のど真ん中でハザードも点けずに停車しました。
何をしているのかと暫く待っていても動く様子がありません。
可愛らしく一度だけクラクションを鳴らしてみました。
それでも相手は左に寄せる気配もなく平然と通せんぼしています。
どうやら通りに面したブティックの中にいる奥様をお待ちのようだ。
小回りがきくクルマなので横にピタリと付け、
「おんどりゃ〜!!×××××××!!」と関西式挨拶をかけると、
ウインドを閉じたまま目も合わさず何か言ってます。
「!!」
アタマに血がどっと昇るのを感じた時、僕には珍しくフッと思ったんです。
この平和で可愛らしいクルマからガラの悪いおっさんが降りて来て、
ふんぞり返ったBMWに蹴りを入れている図を。
・・・耐えました。
だけど一言いわせてください。
もし僕が黒塗りのベンツだったら君はどうした?
同じように無視してたか疑問だね。
僕が大きな高級外車を嫌って乗らないのは、
クルマのデザインが嫌なんじゃなく、
虎の威を借りる君のような人種が好んで乗っているイメージがあるからなんだよ。
だから僕はこんな小っちゃなミニカーが好きなのさ。