東京電力は29日、国内外を対象に公募増資で最大5549億円の資本増強を行うと発表した。同社の公募増資は、1981年以来29年ぶり。国内の事業会社としては今年最大規模の増資になる。大型増資で財務を強化し、原子力発電所の建設推進や海外投資に積極的に取り組む。増資で新たに発行する株式は、需給に応じて実施するオーバーアロットメント(追加売りだし)分と合わせ、最大2億5415万株。現在の発行済み株式総数の約19%に相当する。調達資金のうち2700億円を設備投資に充て、青森での原子力発電所建設に2200億円、川崎市の火力発電所建設に500億円を使う。東電は米開発会社のニュークリア・イノベーション・ノースアメリカが米テキサス州で進める原子力発電所の増設事業に参画する予定で、増資の一部を充てる。東電は今月13日に発表した経営計画で、今後10年間で地球温暖化防止対策に向け2兆5000億円投資するほか、収益力拡大を目指して海外の発電事業に最大1兆円を投資することを打ち出しており、今回の増資はその一環だ。事業会社の公募増資で、今年に入って最も大きかったのは、国際石油開発帝石の5189億円だった。/フジサンケイ ビジネスアイ:9月30日(木)8時16分配信