アジトの整理をしていて発見。
コダック社製スナップキッズ「ピカキレ」。
ご存じの方も多いはず。(フカヒレじゃないよ)
実はこの商品のパッケージデザインをしたのは、
何を隠そうこのどさんぴんなのでございます!ヤー!w
(詳細は
こちらでどうぞ)
さて、そこで思いだしたんだけど、
このような使い捨てレンズ付きフィルムカメラが、
最近になってまた売れ始めているらしい事を小耳に挟んだ。
デジタル全盛のいまになって何故?
最初に聞いた時は「またアナログ回帰?」とか思ったのだけれど、
いや、そうにあらず。
実は売れているのは東北地方に限られた話で、
今回の震災で失われたそれぞれの「思い出」という代物に関係がある。
つまり流されてしまった家族のアルバム中には、
たくさんの自分や家族史が詰まっていて、
その喪失感は計り知れないものがある。
そこでその失われた過去を埋めるように人々は、
このようなカメラを手に入れ正にいまその「過去」を作っている。
確かに災害ボランティアでも写真を一枚一枚綺麗に洗って、
持ち主に返却するといった活動があったし、
そこで家族の写真を見つけ一瞬でも明るくなる被災者の顔で
そのボランティア活動の大切さが伺える。
どさんぴんが目にした被災地でも
自衛隊員が遺体の捜索、瓦礫の撤去をしているさなかであっても、
写真などの思い出深いであろう品が出て来た場合には、
瓦礫から取り出してその近くにそっと残していた。。。しかも丁寧に。
誰かに指示されたわけでもないだろう。
その海風になびく見ず知らずのアルバムを見たとき、
持ち主の安否を案ずるより前に、
まるで自分の事のようにありがたみを感じた。
思い出だけで人は生きてはいけないと言うけれど、
それは先に希望のある人のセリフで、
行く末の見えない人にとって「それ」は何より大切な物なのかもしれない。
東北地方での売れ行きは、そんな人の心象を垣間見せる。
わずか450円程の使い捨てカメラ。
たった一枚でも生きる証になるのなら、
そこに映る顔は笑顔であって欲しいと切に願う。
※写真二枚目:瓦礫除去作業後に自衛隊員たちはアルバムをそっと残した。
(2011年4月13日/石巻市南浜町付近)