テレ朝の「やすらぎの郷」がなかなかの高視聴率らしい。
シニア世代をターゲットに同世代の倉本聰の脚本ということもあり、
久し振りにヒットの予感がする帯ドラマと話題である。
世代は違えど、ボクもこのドラマに自然と引き込まれてしまう。
何故かと考えてみたら主演の石坂浩二の存在が大きいことに気が付いた。
特に好きな俳優というわけではないのだが、
ガキの頃からテレビでナレーションやドラマに触れていたせいからか、
石坂浩二の声や演技に触れているだけでどこか安心な感覚を覚える。
振り返れば「ウルトラQ」のナレーションに始まり、
「ありがとう」の石井ふく子シリーズまで、
知らない内に石坂浩二は家族団らんの象徴的な存在になっていたんですな。
そして度々登場する「喫煙シーン」にホッとしている。
昨今のテレビドラマの中で「喫煙シーン」はほぼ無いといってもいい。
刑事ドラマでも何でもいいが、ヤニにまみれる主人公は皆無だと言っていい。
すべてをチェックできないので断言はできないが、
この点においては明らかに“自主規制”が働いていると思う。
ところがこのドラマ、スパスパ吸っている。w
誰も彼も回りを気にせず、スパスパうまそに吸っている。w w w
もちろん世代的背景があるにしたって
そこまで吸わなくてもという頻度で喫煙シーンが登場する。
その度に肩の荷を降ろしたような安楽さを味わっている。
倉本聰の計算があるのかないのかは知らないが天晴れだなと思う。
いま世の中は東京オリンピックを契機に
「受動喫煙防止法」なる法案が与党内で審議中だ。
先日国会を通過した、いわゆる「共謀罪」も
これからの国際社会において必要だと言われている。
過去にあった特定秘密保護法と同じ様に
「およそ守る必要もない法律」に興奮し恐れおののく
田吾作がそこいら中にウヨウヨしているのも問題だけど、
他人の嗜好を社会から締め出しても構わないとする
思い上がった感覚の蔓延の方が、
厄介だし、悲しいし、恐ろしい、とボクは確信している。
後はそのうち煙草と同程度の有害物質があるとされる「線香の煙」を理由に
葬儀社が地域に作れなくなる日が来ないことを祈るしかない。
さて、そんな些細な事はさておき、
煙草を断って1年半。
副流煙も流れてこない潔癖な息苦しさを感じながら、
「さいごは笑って、いきましょう。」と謳うこのドラマの中で
煙草を吸うシーンに合わせて大きく深呼吸をするのだ。