先日、ブルーノート東京にエイドリアン・ブリューのライブへ行った。当初はキング・クリムゾンのクレジットにロバート・フリップも来日するものと思い込み浮き足立ったが、 エイドリアン・ブリューのユニットであることを後になって気がついた。しかし、あの「エレファント・ギターサウンド」が、しかもブルーノートで聞けるのだ。行くしかないだろう。会場に到着したが、いつもドヤドヤと客が待ちかまえているはずなのにスッキリとしている。私が心配する事ではないが、少々客の入りが思わしくないようだ。今日はせいぜい60人程度だろうか。ブルーノートでこんなに少ないのは記憶にない。初日のセカンドステージだからなのだろうか?トーキング・ヘッズ好きの私には人気がナイなどとは納得出来ない事で、いささか戸惑ったがこれ幸いと、どセンターの「トム・スコット」の席に陣取り、生ビールと名物のツイストポテトを注文した。
3杯目の生ビールが半分程なくなったところで、下手からサポートメンバー二人を伴い登場。頭はかなりザビエルし、身体は相当メタボっている。時間の経過を・・・まあいい。それより驚いたのはベースとドラムが「エイドリアン、あなたの子供ですか?」と聞きたくなるほどに若い。明らかに20代前半で、後で分かる事だが姉弟だという。しかしステージが始まるとフロントの存在を忘れさせるほど、迫力のパフォーマンスを披露。私が言うのもなんだが息が抜群にあっている。エイドリアン・ブリューのかかわるサウンドはトーキング・ヘッズもそうであったように、とにかくエキセントリックなリズムでいつもヤラレル。カッコがよい!10分もしないうちにぶっ飛んでしまった。関西人の悪いクセである。昔「ブライアン・セッツァー」のライブでイナカモンのヤンキーに「静かにしろ!」と理屈の合わない注意をされた男である。特に往年の名曲ともなると、特に興奮するのだ。しかし身体の正直な反応に身を任せるしかないではないか。アンコールを入れて1時間半程のステージだったろうか?イマでもラディカルな怒濤のパフォーマンスだった。
初めての体験だが終演後、なんと「物販サイン会」が執り行われた。ハァ〜?あのエイドリアン・ブリューがかい?・・・もちろん参加した。握手をしながら二言三言のコトバを発っする彼の顔は、溺死体のような白い肌と、少年のような瞳が印象的だった。