あ〜怖い、こわい、こわい。なにが怖いって、秋葉原の事件だよ。あんな恐ろしい光景をTVではなく実際に目の当たりにした日にゃ発狂しそうだ。忘れようとしても忘れられない恐怖。どうしちゃったんだい?何処へ行くの?何がしたいの?怒りを超えて恐怖に感じる俺がおかしいのかな?そんな恐怖を何処から覚えるのかというと、申し訳ないのだが犯罪そのものでは決してない。
人が血だらけであちこちに倒れている。規制線が張られた外のやじ馬。その中にある数えきれないほどの長方形をした物体。記念撮影でもしているように正に生死をさ迷う被害者達を写真や動画に収めているあの物体。撮影者はどこにでもいる普通の人たち。こんな無差別な光景に背筋が凍る。
今もしこのPCで動画サイトや関連ワードで検索すれば山ほど画像がヒットするだろう。そして誰もが恐怖や哀れみを書き連ねているのだろう。でも本当に怖いのは映像なんかじゃなく、ファインダー手前にある無感覚の中にさえ感じる乾いた感触。他人に何かを与えるのではなく無機質にダウンロードしていく極色彩の日常。しかし君たちを断罪する気はない。いや、できない。酒を片手にTVを見ていた俺も同罪だ。
私にとって唯一あの日、救急隊員に交じって献身的に介助していた何名かの人たちに尊敬の念を抱かずにはおれない。そして同じような状況に立たされた時、自分はどう行動するのだろうかと疑念に満ちている戒めを強く思う。