これが自由と いうものかしら
自由になると 淋しいのかい
やっと一人に なれたからって
涙が出たんじゃ 困るのさ
やっぱり僕は 人にもまれて
みんなのなかで 生きるのさ
「悲しいだろうみんな同じさ〜」と始まるこの歌を中学生の頃どれだけ繰り返し聴いた事だろう。
淋し過ぎて死んでしまうのは何もウサギだけじゃない。人と関わる事に勇気がいるように、人と関わらない事にも勇気がいる。どちらの自由を選択するわけでもなく、傷付き傷付ける事を恐れるあまり、独りの居場所を見出し、関わりを経ってしまえばどんなに楽だろう。そんなユリカゴの中で「実存」を示す事は困難で、だから一人を好むはずなのに、淋しさだけが込み上げて大声を張り上げたくなる。どっちにしたって、誰かに振り向いてもらわない事には、忘れられた箱の中のウサギと変わらない。だから頭でっかちはやめてその箱から飛び出したつもり。
〜数日前に亡くなられた元有名タレントの訃報を聞いた時、
何故かあのころの匂いが蘇った。