このままだとこの国から歓楽街が無くなってしまうかもしれない。
つい先日、六本木の某クラブが風営法の適用により摘発された。
一見、国家権力の乱用のようにも映るが、
しかし市民からの要望(クレーム)で
警察も取り締まざるを得なくなったのが事実。
午前1時を回ると踊れないようだし、
それまで踊るのも許可が必要なこの国は一体どうなってしまうのか?
「まるで社会主義国家のようだ」と国家権力を訝しげに見る向きもあるが、
元はと言えば我々市民側からの要求による規制であることに注目したい。
「児童ポルノ禁止法」の法改正も
グレーゾーンを許さない市民側からの規制要求だ。
どうもこの国の国民と他国との一番の違いは規制されるのを自ら望むといった、
何とも奇妙でおかしな市民感覚の実態が浮かんでくる。
「行政に父性を求めるのはいかがなものか」と前々から警鐘を抱いていたが、
残念ながら日本人の「行政過剰依存」がここまで進んでしまっている。
これからもグレーゾーンを許さない「潔癖な市民」が声を上げ、
風営法の適用範囲は拡がって行くだろう。
そしてそのうちライブハウスにもその矛先が向かうのは明々白々。
暴対法のおかげで夜店(テキ屋)が排除されたあの寂しい夏祭りのように、
問題なのは都政や市政などの規制する側にあるのではなく、
行政依存する市民感覚にあるといった思いに至る。