自宅の散歩圏内にその様な遺跡があるらしい事を知ったのは
webの古地図で近所を散策していた時だった。
今でこそモータースポーツといえば「富士/鈴鹿/茂木」を連想するのだが、
「多摩川」ってなんぞや?と最初は思った。
しかし調べてみるとこれが何と日本のモータースポーツ発祥の祖とも言える、
由緒のあるオーバルコースが多摩川の河川敷にあったらしいのだ。
何でも1936年というのだから、今から丁度80年前にあたる。
まだ若かりしあの本田宗一郎も参戦したというのだから驚いた。
HONDAの社史にも出てくるので間違いない。
その当時の観客席が今でも残っているというので
散歩がてら実際に見に行ってきた。
丸子橋を川崎側に渡り土手沿いに東横線をくぐったところにそれはある。
なるほど、およそ300mほど続く見渡し加減の良さげなコンクリートの石段は
自然と腰を落ち着かせたくなるようにいい感じでひな壇状になっている。
等間隔に四角く穴が開いているのは座席が設置されていた跡なのだろうか?
まるで甲子園のアルプススタンドのようじゃないか。
残念ながら「多摩川スピードウェイ」は、わずか1年で運営を終えてしまう。
娯楽が廃されていく戦時統制の時代が伺える。
様変わりはしているものの最終コーナーとスタンド前の直線コースは
今でもなんとなく残っている。(ように見える)
ボクはアルプス中段ほどに座り、
当時のレーシングカーが目の前を疾走する風景を想像しながら、
しばし80年前に思いを馳せて楽しんだ。
ブンブン、ブブン。
追記:
YouTubeに素晴らしい動画をUPしている方がいらっしゃいました。
こちらにも掲載させて頂きます。